自分の髪との和解
白髪とは、毛根のメラニン色素がバカになることです。
シャキシャキと黒い髪を作ってくれなくなることです。
人間は、黒いものが白くなると大きくイメージが変わります。
今、体の中で黒いものと言えば、毛と瞳です。
その、体の中で大きく面積を占める毛が、徐々に白いものと入れ替わってきています。
わたしは、じわじわとそのイメージを変えつつあるのです。
頭皮の毛根も、皮膚のたるみとともに形を変えるらしく、そこから生える毛はまっすぐでもつやつやでもなく、ぐりぐりと歪んだパサついたものです。まるでところてんの押し出される穴が、いびつな状態のようです。
髪は、死んだ細胞です。
だから痛覚もありません。
その代わりに、後付けして栄養を与えてもなかなか吸収しないようです。
わたしはせっせと、毛染めやトリートメントを施して艶とコシやハリを取り戻そうとしていますが、髪が伸びるのに要した時間程度は、かけてやらないとだめなようです。
それでも、少しずつ艶は取り戻してきた気がしています。
やっと、自分の髪と和解できそうです。
まだまだわたしは生きるのです。
じっくり自分の髪と、向き合って労わって付き合っていこうと思います。
わたしのイメージを覆すほどの力を持った髪は、大事にすればそのリターンも大きいのですから。